本日のKimobigのイベントは、目黒のCafé y Librosさんでのブラジル料理教室でした。
メニューはSalpicão(サルピカオン、チキン&リンゴのクリームサラダ)、Pão de Quejo(ミナス風チーズパン)、Pudim Surpresa(プヂンスプレーザ、プリンケーキ)のと盛りだくさんでした。
スタッフは朝から集まり、材料の準備です。今日はサラダとプジンはデモンストレーション、ポンデケージョは班に分かれて実際に作ってもらうことになっていました。
慣れないキッチンで揃いの器を探したり、材料を計ったり、サラダを作ったり、アメリカ製のオーブンの使い方(温度が華氏表記!)を教えてもらったり、と大わらわ。そんなことをしているとあっという間に集合時間に。みなさん、ほぼ時間通りに到着し、スムーズに会は始まりました。
サルピカオンはブラジルの定番メニューで、材料を混ぜるだけのお手軽なサラダ。ゆでた鶏胸肉に野菜、さらにリンゴとレーズンの食感と甘みのアクセントが加わります。ドレッシングはマヨネーズにヨーグルト、無糖練乳なのでクリーミーだけどスッキリ。食欲がなくともパクパクと食べられて、夏に最適なレシピです。また、この日入っていたセロリが苦手な人も美味しい!といって食べていました。
ちなみにブラジルには練乳を使う料理がたくさんあります。暑くて大きな国なので流通が日本ほど良くなく、生クリームなど冷蔵する必要のある乳製品が使えなかったことが理由の一つです。日本ではあまり見慣れない無糖練乳の缶の写真を撮る参加者もたくさんいました。
次に、みんな大好きポンデケージョです。日本でも、たまにパン屋でも似たものを見かけますが味は元より、そもそも直訳のチーズパンと言った時点で違います。まずは、パァォンジケージョとネイティブSaory先生の発音練習から始まりました。
参加者も5つの班に分かれて実際に作ります。ポービーリョアゼイド(タピオカ粉)に水分(温めた牛乳、油と水)を入れて手でこねます。生地ははじめボロボロとしていますが、こねていると次第にまとまってくはずが、1つの班だけなぜか生地がホットケーキ生地のようなゆるゆるになってしまいました。もう一つ同じものを準備して同じ行程を踏みますが、またもや生地がまとまらず緩いものに。分量はきちんとレシピ通りなのに、何の呪いなのか……。三度目の正直、ということでもう一度、正しい分量で作ると、うまくまとまりました。
生地を一口サイズに丸めてバットに並べて焼いている間にブラジルプジン研究家中津先生の出番となります。カラメル、プヂン液、土台のスポンジの順に作ります。ここでも加糖練乳(コンデンスミルク)を使うのがブラジル風。型にカラメル、土台のスポンジ生地、プジン液の順に流しこみます。あれ、プヂン液が最後?と思うのですが、不思議とスポンジ生地が上に浮いてきます。これを蒸し焼きにすれば完成、なのですが今回はオーブンがポンデケージョに占拠されているので、三分間クッキング風に完成したプジン登場。ドーナツ型の淵に沿ってナイフを入れて、蓋をするようにお皿を置いてひっくり返すと、お見事、綺麗なプジンがすぽっと現れました。これには参加者みなさん拍手です。
そんなことをしていると、ポンデケージョが焼きあがりました。オーブンの火力が少し弱かったのか、焼き色は薄めですが、個性豊かな形のポンデケージョが美味しそうな匂いを漂わせています。モチモチとした食感が病みつきになり、いくつでも食べられそうです。
市販のミックス粉もありますが、粉から作るレシピの美味しさは格別です。ここで今日の3品の試食タイムになりました。ポンデケージョには、さらにチーズをかけたり、ドーシジレイチ(ミルクジャム)をかけたり、とアレンジバージョンも試食。
みんなお腹一杯、と言いながらもポンデケージョに手がのびていました。気がつけばお皿はほぼ空っぽに。みなさん、美味しいと言って満足してくれた模様です。綺麗に食べたあとのお皿が返ってきて、気持ちいいくらい。
次回の開催は12月、という予告とともに会は終了。早速、ポンデケージョで必要なポービーリョアゼイドを買いに五反田のKyodaiマーケット(ブラジル領事館と同じ建物にあるラテン系食材スーパー)に行くと言って帰っていった方々もいました。
料理教室を楽しんでもらうことはもちろんですが、そのあと作ったよ、という報告は何よりも嬉しいもの。参加者のみなさん、また作ってみてくださいね。
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KIMOBIG BRASILスタッフ
Chiharu Oka 岡 千晴
岡山出身、東京に暮らして10年。心はカリオカ。 好きなお酒はビールとワイン。好きな食べ物は鯖の棒鮨、羊肉、チーズ。ポルトガル語ペーパー通訳案内士(国内の観光通訳の専門家のはずがブラジル地理のほうが詳しい)